おおかみこどもの雨と雪 感想(若干ネタバレ注意)
午前中に観てきました。「時をかける少女」「サマーウォーズ」も放映当時に観ていた組です。

細田守作品ということで期待して観に行ってきたのですが、今回は前2作とは違った始まり方で、いきなり「雪」の語りから母親の思い出を遡っていくところが印象的でした。

序盤は大学時代の母親「花」(以下ハナ)と父親の「おおかみおとこ」の出会いが描かれ、観ていて自分も大学時代を思い出してほんのり懐かしい気分になり…いや、俺の大学時代はこんなリアルが充実していなかった…ハハハ…orz

そして序盤で最も印象的なシーン。おおかみおとこがハナに自分の正体を告げる場面。

おおかみおとこ「俺が…何に見える?」

A.ドギー・クルーガー
B.ワーガルルモン
C.ゾロアーク

わかっちゃいるけど思わず上記3択で突っ込みたくなった。

そして父親がアッサリ死んでしまうところで大きく話が動くのですが、普通ならここで家計の事やら子育ての事で心労と過労で鬱病になってもおかしくないくらいどん底状態。ここから田舎の山奥で子育てしつつ生活しよう、って笑顔で決心できる辺りが「母は強し」ってやつだなーと納得した。いや、ハナさんの場合ちょっと強過ぎだけどw

ここから中盤以降は鬱な展開になり掛ける→周囲の助けや自分達でなんとか乗り越えるという感じで、暗くなりそうでなんとかそうならず、といった感じで観ていてホッとする場面も多かったり。

子供が「狼との混血児」という特殊性を持っているので、現実的に言えば障害を持った子どもの育児に奮闘する母親の物語とも言えて、単に「狼男の子どもが成長していく」という物語ではなく、人間社会と密接に関わりながら暮らす事に比重を置かれていたのが良かった。

子ども達の成長に合わせて約12年の年月の経過を2時間で描くので、どうしても各場面の描写などは薄くなりがちで、ダイジェスト的な形になってしまう部分もありましたが、それでもキャラクターの数を絞ったり、子供達の成長の描写をとても丁寧に描いたお蔭か、ハナ、雪、雨のキャラクターはとても活き活きしていた。

物語(母親の育児奮闘記)と題材・テーマ(おおかみおとこ)も見事に噛み合っていて最後までしんみりと観終わることができた良作でした。自分はまだ子供が居ないので育児の大変さなどはわからない部分が多いけど、現在育児真っ最中の母親や子育てをある程度終えた年齢層の母親にはかなり共感を得そうな内容だったと思います。



*ちなみに細田守作品シリーズ恒例(?)の大泣きシーンも健在。誰が「泣き」っぷりを発揮してくれるかはその目で確かめてみて欲しい

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